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『愛を読む人』ケイト・ウィンスレットの演技が凄い!戦争の傷の深さについて考えさせられる映画。【ネタバレあります】

原作はベルンハルト・シュリンクの小説「The Reader」(朗読者) だそうです。原題も同じ。

題名とポスターの感じからなんとなく眠くなりそうなラブストーリーな気がして 笑

ずっと見たことなかったんだけど、見出したら物語は意外な方向に進んで一気に引き込まれちゃいました。

 

舞台は第二次大戦後のドイツ。

15才のマイケルは気分が悪くなったところを偶然21才年上のハンナ(ケイト)に助けてもらい、瞬く間に恋に落ちてしまいます。

ハンナのアパートで逢瀬を重ねるうちにハンナはマイケルに「本を読んで」とお願いするように。。

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とにかくケイト・ウィンスレットの演技に圧倒されっぱなし!

『レボリューショナリーロード』の情緒不安定な壊れていく奥様役も凄かったけど、『タイタニック』の上流階級の気の強いお嬢様と同一人物にとても見えません。笑

ハンナからの一方的な別れから数年。大学生になったマイクは法学部のゼミでナチス裁判の傍聴することになり、思いがけず被告席に座るハンナを見かけることになります。

真面目で実直なハンナはその正義感からアウシュビッツ収容所の看守として一生懸命働いてました。

でも戦争真っ只中で恵まれない環境に育ったハンナ。後からわかってくることだけど、文盲(字の読み書きができない)で教養もなく…軍事裁判で文盲だと言うことを知られたくなかったせいで、同僚の看守達に罪を押し付けられ無期懲役の有罪になってしまったのでした。

当時のことを思い出してハンナが文盲だと悟ったマイケル。だけどこの時はハンナを助けることが出来ず。。

何年か経って結婚も離婚も経験してすっかり大人になったマイケルがやったことが、テープに朗読を吹き込んでハンナの服役する刑務所に送り続けたこと。

そのテープでハンナは文字を覚え始めます。

刑務所の中で生きる目的を見出しどんどん文字が読めるようになるハンナ。。 

年老いたハンナがマイケルに送った、覚えたての短い文章で書いたカタコトの手紙には本当に胸が締め付けられちゃいます。

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愛を知らずに育ったのか、マイケルに向けるハンナの愛情も不器用な一面があったりして切なくなってしまうのです。

まだ15才のマイケルが、誕生日に友達が開いてくれるというバースデーパーティーに行かずにハンナの住むアパートを訪れた時も突き放すようなキツイ言葉しか言えず…

今まで誕生日のお祝いなんてしてもらったことなかったんだろうな。

ハンナのできる精一杯のことが、マイケルの体を愛情深くきれいに丁寧に丁寧に洗ってあげること。不器用で真面目な彼女の一生懸命さが伝わってきて、心が痛かったです。

そんな彼女をまっすぐに愛したマイケル。

ラブストーリーだけど、単なるラブストーリーじゃなくて時代に翻弄されながら一生懸命生きた女性と、戦争がもたらしてしまったもの。色々考えさせられる映画でした。